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シンポジウム 本格焼酎の未来を考える

2009年1月24日

2009年以降を、黒木・佐藤・豊永・四ッ谷 4蔵元が語る

 芋をリード役に市場を広げてきた本格焼酎も今、一つの曲がり角にあるようだ。「焼酎楽園」小林昭夫編集長は、2008年の本格焼酎に起こった出来事を<「事故米」不正流通事件>、<大手メーカーの混和焼酎の伸び>、<酒質の多様化・均質化>の3つのキーワードにまとめている。
焼酎・PD 250.jpg では、2009年以降の本格焼酎はどうなっていくのか。そんなテーマを論議する場として、同誌が企画・主催したのが、1月18日、東京国際フォーラムで催された「シンポジウム 本格焼酎の未来を考える」だ。
 小林編集長が司会を務めるパネル・ディスカッションには、パネリストとして、以下の4蔵元が招かれて登壇した。いずれの蔵元も南九州各県の焼酎業界を代表する、一家言ありの論客と見うけられた。
 黒木本店(宮崎「百年の孤独」)・黒木敏之氏、佐藤酒造(鹿児島「佐藤」)・佐藤 誠氏、豊永酒造(熊本「豊永蔵」)・豊永史郎氏、四ッ谷酒造(大分「兼八」)・四ッ谷岳昭氏。
 小林編集長が提起したディスカッションの2つのテーマは次のようなものであった。
 1.本格焼酎の安全・安心について
 2.本格焼酎の現状と将来について
 1.のテーマでは、やはり"事故米"問題が焦点になった。4蔵元とも問題になるような原料米を使う蔵ではないことを小林氏がことわった上で「今回の事件をどう考えるか?」が質問された。ごく印象に残った発言のみ簡略に紹介しておこう。

 まず大きな影響を被った米焼酎業界の豊永氏から、ただ騙されましたではなく、真剣に考えないと何回も同様の事件が起こる可能性があると厳しい意見が出た。他の3氏も同様で、とくに黒木氏は、ショッキングな出来事だが、エリをただすいい チャンス、造りに携わる人間は誇りをもつべきだ、と強調していた。
 次に「では安全・安心のために日常的にどんな取り組みをしているか?」が質問された。
 豊永氏は"うちは100%トレーサビリティの米を使用、その6割は有機農法の米"として、"土や風土の大事さを再認識する時代"であると答えた。佐藤氏はトレーサビリティは当然としながらも"それに価値があるわけでなく何に向かって仕事をしているのか、の信頼関係が一番大事"と語っていた。さらに四ツ谷氏は"日本の原料麦の92%は外国産、うちもかつては豪州産だったが、今は地元産ハダカ麦を使っている"という。

 第2のテーマでは、はじめにアメリカ発の世界同時不況下では、今までのやり方では展望が立たない、甲乙混和が伸びていることもふくめて、新しい焼酎のあり方が問われる、「量から質へどう転化するか」「地元に根ざしながら県外をめざしている現状」「海外進出の展望」などの問いが発せられた。
 黒木氏は、ここ10年広がってきた焼酎市場も"これから大きくなることはないだろう"といい、佐藤氏は"国内にも市場は残っているが、海外は日本食レベルも高く、市場は有り余るほどある"と海外進出に期待を寄せていた。
 黒木氏も同様の見方だが、"焼酎が世界の蒸留酒ブランドになるには、その国の原料を使わなければならない"と語り、豊永氏は"ワインの自然派のテロワールと同じように、土によって個性を出す方向性が生き残る方策"と訴えた。
製品開発の面でも、黒木氏は"芋の品種と酵母の組み合わせによる品質向上の可能性""貯蔵で付加価値を高めたプレミアム焼酎の可能性"を強調していた。

 以上、ごく一部の発言のみを紹介したが、休憩をはさんで3時間に及んだディスカッションは本格焼酎の新段階をどう切りひらくか、の前向きな議論が展開された中身の濃いものであった。
 なお、「焼酎楽園」発行元の金羊社からこのディスカッションの全貌をまとめた報告書(1500円)が2月中旬に発行されるので購入をお勧めする。

 ㈲金羊社=TEL 03-3268-9808   http://www.shochu-rakuen.com/

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