よき友・うま酒・商売繁盛 blog

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お燗の敵!? "冷酒"至上主義の居酒屋さん

2009年2月24日

この酒は冷酒だけです!!

 先日のテレビ番組でタレントの柴田理恵が湯気の出るほど怒っていた。
冷酒専用です!! 180.jpg とある居酒屋でのこと。「この酒を燗にして」と注文したら、店員さんは「それはできません」とにべもない返事。なぜできないのっ、とただすと、「缶ではなくてビンなんです」。これでまず怒りの第一幕(ちょっとつくっている気もするが)。

 「ワタシのいっているのは"お燗酒"のことなのっ」といってようやく彼は理解したらしいが、また「これはお燗にできません」という。なぜか。「冷酒用なんです」。カチン、怒りの第二幕。「飲むのはお客のワタシなんだから、いいからお燗にしてよっ」と押し切った。
 出てきた缶酒、いや燗酒はグツグツと煮立ったような超熱燗だったという。そこで話は終わってしまったが、怒りの第三幕はどう展開したのだろうか。

 似たような体験をした方も少なくないだろう。筆者も何回かある。日本酒をかなり知っている、試飲会などによく出てくる店主の店などでは、「お客さん、わかってますね」と、目でうなずいてくれたり、お燗の温度をきいてくれたり、卓上お燗器を出してくれたりもする。しかし、そんなグルメ誌にのるような店はごく少数派だ。
 大半の居酒屋では、ようやく「いい酒は冷やして」という段階にたどりついた店が多い。チェーンの店なんかはその代表だ。こういう店では、"冷酒"がドグマ(教条)になっている。だから、それを破ろうとする客は、異端、異教の徒なのだ。店主・店員の冷ややかな目がそういっている。もっとも、その裏には「ちぇっ、めんどーくせぇこという客だ」があるに違いない。

お燗の作法を難しくしないように

 お燗酒の復活は日本酒の復興の決め手になる!! といわれて、かなり久しくなる。燗向きの酒質にかける若い蔵元も出てきたし、グルメ誌などに特集記事がのることもふえた。それでも、燗酒がなかなか期待論の域を出ないのは、提供する居酒屋の理解度の低さと、この「めんどーくさい」があるからだと思う。
 日本酒復興の決め手とまではいわないが、筆者も燗酒は日本酒の魅力を一回りも二回りも大きくする決め手にはなると考えている。だから居酒屋のパートナーである酒販店には、日本酒にはお燗のうまさもあることをゼヒ居酒屋に伝えてほしい。かつて、いい酒は冷やして、と布教したように、今度はお
燗で出してごらん、と教えてほしい。

 お燗酒が実力にふさわしいくらいに普及するには、いくつかの障壁をのりこえなければならないと思っている。一つは、湯煎でなければ、といった燗つけ作法にあまりこだわらないことだ。それが商売でできるのは、ごく一部の客単価の高い店に限られる。
 筆者は家で飲む時はほとんどレンジでチン。たまに徳利を鍋の湯に沈めることもあるが、それは茶の湯を愉しむような心持でいる時のみ。これが、湯煎でなければお燗じゃない!! なんていわれたら、たぶん滅多に飲まなくなる。居酒屋もしり込みをするだろう。気安い店ならチン、を許してほしい。酒燗器よりはマシだ。
 お燗の作法を新しいドグマにしないように気をつけなければならない。

 それから蛇足を承知でアイデア。お燗に挑戦する店は、日本酒メニューに「お燗でもうまい!!」マークをつけたらどうか。もうやっている店があるに違いないが。
 それと、お燗注文は「プラス30円」というようにお燗代を明記してあってもいい。手間がかかるのだからこのくらいは負担してもいいのではないかと思う。とにかく居酒屋店主殿にヤル気を出してほしいのだ。もちろんその場合は、やっぱり湯煎でなければ、と思うが。

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