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4.22「山形歓評会」に出品された「発泡清酒」9銘柄

2009年5月 5日

泡立つ日本酒は"スキマ"でも"キワモノ"でもない!!

  不振をかこっている日本酒に次々と新タイプの製品が生まれていることをご存知だろうか? もちろんご存知だろう。酒販のプロならば当たり前の話だといわれ 山形の発泡清酒9銘柄.jpgそうだが、ここ十年くらいの間に、純米とか吟醸とか本醸造といった定番の酒以外の、ちょっと変り種の酒がやたらとふえているのだ。
   おなじみになっているところでは、にごり酒、古酒=長期熟成酒、、山廃、無濾過など。「すず音」に代表される低アル酒、そして活性酒。日本酒から飛び出た梅酒(日本酒ベースの)まで、実に多種多様な製品が溢れかえっている。

   背景には酒造技術の著しい向上発展があるのだろうが、定番の酒では難局を切りひらけない蔵元の事情もある。しかし、これだけ種類・ジャンルが広がった新タイプ製品も、業界では依然として"スキマ商品"としての扱いだ。はっきり"キワモノ"と見る正統派の人もいるのではないか。(写真は山形歓評会で試飲に供された「発泡清酒」9銘柄)

   はたしてこれらの酒、製品は"スキマ""キワモノ"なのだろうか? 中にはそういうものもあるかもしれない。が、多くの酒には生まれてくる背景や必然性があり、これから大きく育っていく可能性すら予感させるものもある。否定的なレッテル貼りを許さない注目と期待の酒がふえているのである。
   そんな事例を、2つだけ紹介しておこう。

     1つは、代表的専門店・長谷川酒店(東京)の長谷川浩一氏が、開発に情熱を注いでいる「低アル日本酒」だ。「アルコール度13度」を標準にした「飲み続けられる日本酒」「白ワインに対抗できる食中酒」の製品化を蔵元に呼びかけた。呼応して取り組んだのは13蔵元。
    4年前、13度の「東一Nero」を発売している五町田酒造(佐賀)に続いて、今春「雨後の月」(広島・相原酒造)も商品化された。さらに続々と個性の異なる試作品が生まれており、4月24日(金)には、全商品・試作品の試飲会を兼ねた勉強会「左党の会」が開かれた。
    5,6度の甘酸っぱい低アル酒ではない、日本酒としてのシルエットを失わない低アル酒が、群として生まれつつある点が画期的だ。近いうちに日本酒の風景を変えて、世界に新しいファンを育むことを大い に期待したい。

発泡清酒おしゅん.jpg  もう1つの事例は、山形県が開発に余念のない「発泡清酒」だ。
その名の通り発泡酒で、かつ清酒。従来の「発泡にごり酒」ではない。自力の発酵による発泡酒に炭酸ガスを充填してスパークリング日本酒に仕上げている。
 酒造技術の指導者として名高い山形県工業技術センター研究主幹・小関俊彦氏が開発のリーダーシップの下、県内9蔵が取り組んできた。その全製品が揃って東京にお目見えしたのが、4月22日(水)に池袋のホテルで開催された「山形県 新酒歓評会」("歓"の字に注意).。山形が音頭をとって全国の名酒を集めて試飲に供するユニークなイベントである。
    その会場内の端っこ、試飲台の1列に発泡清酒が並べられていた。上記写真の右側から紹介しよう。

    「出羽桜」(出羽桜酒造)、「bitts!」(和田酒造)、「X.X(エックス)(東北銘醸)、「出泡羽酒」(渡会本店)、「おしゅん」(亀の井酒造)、「BENTEN」(後藤酒造店)、「米鶴」(米鶴酒造)、「涼夏」(酒田酒造)、「一献」(中沖酒造店)  (写真は「bitts!」と「おしゅん」

 アルコール度数はほぼ9度から10度を中心にして、精米歩合は60―65%が大半で、それぞれ味・喉越し、舌をやさしくうつ発泡感が心地よい。この中で目立つのは「おしゅん」で、アルコール度は16―17度と高く精米歩合も50%と磨きこんでいて、日本酒らしい飲みごたえを感じた。また、各製品ともガス圧の強弱に幅があって、それも個性の違いになって表れていた。

    以上、2つの事例をレポートしたが、定番の日本酒のすぐ横には、こんなおもしろい酒が続々と生まれていることに注目してほしい。しかも、一口に低アル酒、発泡酒(活性酒をふくむ)といっても、その内部にまた多様な味・酒質の世界が広がっている。それは日本酒のシーンを広げるに違いない。

    もう、とても"スキマ""キワモノ"などと呼べない、発展途上の日本酒である。日本酒市場の活性化につながる残された必要条件は、酒販店の前向きな取り組みと評価ではないかと考える
         (「13度低アル日本酒」の詳しいレポートは「酒販ビジネス情報」4.15号に掲載)

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